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大腸・肛門の疾患

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大腸カメラ検査で
大腸がんやその他疾患の早期発見が可能となります

大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)は、大腸内を直接観察することで、ポリープやがん、炎症などのさまざまな病変を早期に発見できる有効な検査です。特に、大腸がんは初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な内視鏡検査による早期発見が重要です。検査中に発見されたポリープは、その場で日帰り手術にて切除することも可能です。

当院の大腸カメラ検査では、患者様の負担を最小限に抑えることを大切にしています。検査時には、軸保持短縮法という技術を用い、不快感や痛みを最小限に抑えます。日本人は依然として大腸がんのリスクが高いため、40歳を過ぎたら定期的な検査をおすすめします。早期発見のために、ぜひ一度ご相談にいらしてください。

当院の大腸カメラ検査について

大腸癌(大腸がん)

大腸がんは、結腸や直腸に発生する悪性腫瘍で、日本人におけるがん罹患数で2位、がん死亡数で2位を占めており、死亡数は増加傾向にあります。
特に早期発見・早期治療が重要な疾患で、早期発見された場合の5年生存率は非常に高い一方、発見が遅れてリンパ節や他の臓器に転移すると、生存率は大きく低下します。早期発見が予後を左右するため、定期的な検診や早期発見が何よりも重要です。

症状

初期症状としては、血便、便秘と下痢の繰り返し、腹痛や腹部膨満感が挙げられますが、こうした症状が現れる頃にはがんが進行している場合が多いため、症状だけで早期発見することは難しいです。
また、ほとんどの大腸がんは前がん病変である大腸ポリープから発生します。そのため、内視鏡検査(大腸カメラ検査)でポリープを発見した際、その場で切除することが大腸がん予防につながります。早期の大腸がんや大腸ポリープは自覚症状がほとんどないため、確実に発見するには定期的な内視鏡検査が不可欠です。

原因

大腸がんの原因は、遺伝的要因や食生活などの環境要因が関与しています。高脂肪・低繊維の食事、過度なアルコールや喫煙、運動不足がリスク要因とされています。また、家族に大腸がんの既往がある場合には発症リスクが高くなることが知られています。

診断

一般的な大腸がん検診には便潜血検査がありますが、早期の大腸がんやポリープを発見することは難しく、進行したがんの発見漏れも少なくありません。便潜血検査が陰性であっても、特にリスクが高まる40歳以上の方には定期的な内視鏡検査(大腸カメラ検査)を推奨します。

大腸がんの死亡率と5年生存率について

日本において大腸がんは依然として主要な死因の一つです。医療技術の進歩に伴い死亡率は低下しつつありますが、進行度によっては依然として治療が難しいがんの一つです。
5年生存率とは「診断から5年後に生存している人の割合」を指し、5年以内に再発しなければその後の再発のリスクが減少するため、重要な指標とされています。大腸がんの死亡率や5年生存率も、がんの進行度や早期発見の有無により大きく異なります。

大腸がんの5年生存率

  • 早期大腸がん(ステージ0, I):5年生存率は80%〜90%程度
    早期に発見されれば、予後が良好で非常に高い生存率を示します。
  • 中期大腸がん(ステージII, III):5年生存率は50%~70%程度
    治療の効果は期待できますが、生存率は低下します。
  • 進行大腸がん(ステージIV):5年生存率は10%~20%程度
    転移が認められる場合には生存率が大幅に低下します。

このように、早期発見が予後に大きな影響を与えるため、定期的な検査が非常に重要です。

大腸ポリープ

大腸内壁にできる隆起性の腫瘍性病変で、多くの場合は良性ですが、種類や大きさによっては癌化する可能性があります。形状は球状、平坦、茎があるものなどさまざまで、特に大きなポリープや数が多い場合は、注意が必要です。

症状

一般的にポリープ自体は無症状で、偶然の検査で発見されることが多いですが、非常に大きくなると腹痛、便秘、下痢、血便などの症状が現れる場合があります。

原因

大腸ポリープの原因は明確には解明されていませんが、遺伝的要因や生活習慣が関係するとされています。特に肥満、喫煙、アルコール摂取、動物性脂肪の多い食事を取る方はリスクが高いとされます。また、家族に大腸がんの病歴がある場合や炎症性腸疾患がある方も発症しやすい傾向があります。

診断

診断には主に内視鏡検査が用いられ、検査中に発見されたポリープはその場で切除することも可能です。
治療法はポリープの大きさや数、形状により異なりますが、内視鏡的に切除する方法が一般的です。特に大きなポリープや形状が特殊な場合は、外科手術が検討されることもあります。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群はIBS(Irritable Bowel Syndrome)とも呼ばれ、腸にポリープや炎症などの疾患がないにもかかわらず、慢性的に腹痛を伴う下痢や便秘などを引き起こす疾患です。日本では、人口の約10~20%がこの症状に悩まされているとされています。

症状

腹部の痛みや不快感、膨満感、ガスの過剰、下痢または便秘が繰り返されることが挙げられます。症状は通常、排便によって一時的に緩和されますが、症状の強さや頻度は個人差が大きく、日常生活に支障をきたす場合もあります。また、便が緩い、固いといった変動がしばしば見られ、下痢型、便秘型、混合型などの異なるタイプがあります。

下痢型

急激な便意を伴う頻繁な軟便や水様便が主な症状です。このタイプの患者は食後にすぐに下痢を感じることが多く、特定の食品(脂肪分の多い食事、カフェイン、乳製品など)が症状を悪化させることがあります。腹痛や不快感が排便によって一時的に軽減されることが多いものの、頻繁な下痢は日常生活に大きな支障をきたします。

便秘型

便が硬く、排便が困難な状態が特徴です。このタイプでは、腹痛や膨満感が伴い、便秘が続くことによりお腹の不快感が増します。排便回数が減少し、排便が非常に困難になることがしばしばあります。食物繊維の摂取や水分補給が重要ですが、過剰な繊維摂取は逆にガスや膨満感を悪化させることもあります。

混合型

下痢と便秘が交互に現れるタイプです。一時的に下痢が続いたかと思うと、その後に便秘が現れるといったように、症状が頻繁に変動します。このタイプは、症状が予測しづらく、特に治療が難しいことがあります。治療には、便通の安定化を図ることが重要で、食事療法やストレス管理が中心となります。

原因

過敏性腸症候群の原因は完全には解明されていませんが、腸の運動機能の異常や、腸と脳の間の信号伝達の不調が関与していると考えられています。また、ストレスや不安、食事内容が症状を悪化させる要因として知られており、特定の食品に対する過敏反応や、腸内フローラの乱れも影響することがあります。

診断

主に症状の問診と、他の消化器疾患を除外するための検査によって行われます。
過敏性腸症候群の診断は以下の診断基準(ローマⅣ基準)によって定義されています。

ローマⅣ診断基準

最近3か月の間に少なくとも週1回の頻度で腹痛がみられ、次の項目に2つ以上該当すること。

  • 排便に関連した痛みがある。
  • 痛みが排便回数の変化(便秘または下痢)に連動している。
  • 痛みが便の硬さの変化に連動している。

治療法

症状の改善を目指し、生活習慣や食事の見直しが重要です。ストレス管理が有効であり、心理療法やリラクゼーション法を取り入れることも推奨されます。また、薬物治療としては、腹痛や下痢、便秘の症状に応じて消化管の運動を調整する薬や、腸内フローラのバランスを整えるプロバイオティクスが用いられることがあります。

痔瘻じろう(あな痔)

痔瘻(じろう)は、あな痔とも呼ばれる痔の一種です。肛門周辺にある肛門腺が感染し、膿がたまることで膿瘍ができ、その後、肛門の内側と外側がトンネル状につながってしまう病気です。(これを瘻孔:ろうこうといいます)
トンネルの出口が皮膚にできるため、膿が外に漏れ出ることがあります。慢性化しやすく、自然に治ることは少ないため、治療が必要です。
特に30代から50代の男性に多く見られる病気です。発症率は男性が女性の約2倍とされています。

症状

肛門周囲に繰り返す膿や血液の排出があり、排膿が行われると一時的に痛みが軽減しますが、再び膿がたまると強い痛みや腫れを感じることがあります。
また、発熱や疲労感、排便時の痛みも伴う場合があります。痔瘻の痛みは、炎症や感染が広がることで強くなり、特に座ったり排便したりする際に悪化します。

原因

肛門腺の感染によって発生することが主な要因です。肛門周囲には多数の腺があり、そこに細菌が侵入し感染することで膿がたまり、膿瘍が形成されます。この膿瘍が破裂し、瘻孔が形成されることで痔瘻に進行します。また、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患も痔瘻のリスクを高める要因です。

診断

肛門周囲の視診や触診で行われ、瘻孔の位置や範囲を確認します。場合によっては、瘻孔の内部を詳しく見るためにMRIや超音波検査が行われることもあります。これにより、感染の広がりや瘻孔の深さ、複雑さを確認し、治療方針を決定します。

治療法

痔瘻の治療は、その進行状況に応じて異なります。痔瘻の初期段階の膿瘍の場合、切開排膿が一般的な治療法となります。局所麻酔を行い、膿がたまっている部位を切開して膿を排出します。
膿瘍が排膿後も完全に治癒せずに瘻孔ができた場合、自然に治癒することはほぼなく、手術が必要となります。瘻孔が単純な場合は瘻孔切開術が行われ、これにより自然治癒を促します。一方で、複雑な瘻孔の場合は、シートン法という方法で瘻孔を少しずつ切開し、感染をコントロールしながら治療を進めることが行われます。

痔瘻を防ぐために

痔瘻を予防するためには、肛門周囲の清潔を保ち、感染のリスクを減らすことが重要です。また痔瘻は、硬い便や頻繁な下痢が原因で肛門周囲に負担がかかりやすくなることから、便秘や下痢を避けるための生活習慣も重要です。
下痢や便秘の症状が頻繁に起こる場合は、早めに医師に相談をしてください。適切な治療を受けることで、肛門周囲の感染や炎症を早期に防ぎ、痔瘻のリスク低減につながります。

裂肛れっこう(切れ痔)

裂肛(れっこう)は、切れ痔とも呼ばれる痔の一種です。肛門の内側にある粘膜が裂けることで生じる病気で、強い痛みや出血を伴うことが特徴です。特に若い成人や中年の女性に多く見られます。女性は便秘になりやすく、排便時のいきみによって肛門に負担がかかりやすいため、裂肛のリスクが高まります。

症状

排便時の強い痛みと鮮血の出血があります。痛みは排便中や排便直後に感じられ、特に硬い便を排出する際に激しい痛みを伴います。裂けた部分が治癒しないと、痛みは慢性化し、便秘を引き起こして悪循環になることが多いです。

原因

主な原因は、硬い便や便秘による過度のいきみです。便が硬いと肛門に強い圧力がかかり、粘膜が傷つきやすくなります。さらに、下痢や頻繁な排便も肛門を刺激し、裂肛を引き起こすことがあります。また、肛門の血流が悪くなることや、出産後に肛門がダメージを受けやすいことも女性における原因の一つです。

診断

診断は、視診や触診によって行われます。医師が肛門周囲を確認し、裂けている部分を視認します。必要に応じて、内視鏡を用いて肛門内部を詳しく検査し、他の病気(痔や腫瘍など)との区別を行うこともあります。

治療法

軽度の場合は、生活習慣・食生活の改善や、軟膏や座浴などの局所治療で炎症や痛みを抑えながら自然治癒を促します。
慢性裂肛や症状が重い場合は、外科的治療が必要になることもあります。手術では、肛門の圧力を緩めるために肛門括約筋を部分的に切開する「内括約筋切開術」が行われることがあります。

裂肛を防ぐために

まず便秘を防ぐことが最も重要です。食物繊維を十分に摂取し、適度な運動を行うことで腸の働きを活発にし、便通を良くすることが効果的です。また、排便時に過度にいきまないように心掛けることも裂肛を予防するために重要です。さらに、肛門を清潔に保ち、刺激を避けるために便後のケアも心がける必要があります。

裂肛は日常生活の工夫で予防できますが、症状が続く場合は早めに医師に相談することが大切です。

肛門周囲膿瘍こうもんしゅういのうよう

肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)は、肛門の周囲に膿が溜まる状態で、肛門の近くにある皮膚や組織の感染によって引き起こされます。通常、感染は肛門内の小さな腺から始まり、その腺が細菌感染を起こすことで膿が形成されます。膿瘍が悪化すると痔瘻へ進行することがあるため、早期の治療が重要です。

症状

肛門周囲の激しい痛みや腫れ、発熱、排便時の不快感や困難、膿が出るなどが挙げられます。膿瘍が成長すると、排便や座ることが難しくなるほど痛みが強まります。放置すると、膿が自然に破れて膿が排出されることがあります。

原因

主に細菌感染です。大腸内や肛門の周囲に存在する細菌が、肛門の小さな腺を通じて深部組織に入り込み、感染を引き起こします。特に免疫機能が低下している人や、肛門の裂傷がある場合は、感染しやすくなります。

診断

肛門周囲の視診や触診によって行われます。膿瘍が深部にある場合や、診断が難しい場合は、超音波やMRIなどの画像診断が使用されることもあります。

治療法

軽度の場合には抗生物質で治療することがありますが、通常は局所麻酔を使用して小さな切開を行い、膿を排出します。肛門瘻が形成された場合は、さらなる手術が必要となることがあります。

肛門周囲膿瘍を防ぐために

日常的に肛門周囲を清潔に保つことが重要です。また、便秘を防ぎ、肛門に負担をかけない生活習慣を心がけることも大切です。
肛門周囲膿瘍は、早期に治療すれば比較的簡単に回復するものの、適切な治療を怠ると再発や合併症が生じる可能性があるため、早めに医師にご相談ください。

血栓性外痔核けっせんせいがいじかく


血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)は、肛門の外側にある静脈が破れて血栓(血豆・血の塊)ができ、急激な痛みや腫れを引き起こす痔の一種です。

症状

通常、外痔核自体は無症状ですが、血栓ができると突然の強い痛みが現れ、特に座ったり排便したりする際に痛みが増すことがよくあります。
肛門の周りにしこり(硬くて小さな腫れ)ができ、時には出血を伴います。

原因

血管が裂けたり圧迫されたりすることで血液が滞留し、血栓が形成されることが原因です。
主な原因には、便秘や下痢による排便時の強い圧力、長時間座り続けること、妊娠や出産などが挙げられます。

治療法

軽度の場合、自然に血栓が吸収されて治ることもありますが、激しい痛みや大きな腫れがある場合には、血栓を除去するための切開処置が必要になることもあります。

当院での治療について

当院では、血栓性外痔核に対して主に局所麻酔での手術を行なっています。
処置は5分ほどで終了し、患者様の負担を最小限に抑えることができます。

▼ 手術の流れ

  1. 局所麻酔を行います。
  2. 血栓の除去
  3. 傷口の処置
  4. 手術後、医師より説明をいたします。

▼ 所要時間

手術の所要時間は約5分程度です。短時間で効果的な治療を行います。

▼ 手術後の注意点

血栓性外痔核の手術を行った後は、再発や感染を防ぎ、治癒を促進するためにいくつかの注意点があります。

  • 感染予防のために肛門周辺を清潔に保ってください。
  • 血流を良くして治癒を促進する効果のある、温かいお湯に浸かる座浴がおすすめです。
  • しばらくは長時間座り続けることや、激しい運動を避けてください。

血栓性外痔核を防ぐために

発症を予防するには、食生活の改善や便秘の予防、定期的な運動が重要です。
排便時に強くいきむことを避けることや、長時間座り続けることを避けることも予防につながります。

診療時間

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受付時間
9:00〜13:00
14:00〜18:00
               

休診日:土曜午後・日曜・祝日
漢方診療:楊先生(毎週水曜のみ)
受付は、8:45〜12:30 13:45〜17:30まで。
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